Gabriel Fauré - Quatuor avec piano en Do M op 15 [Vinyle] CL 13

1879年に完成したピアノ四重奏曲第1番は初期の代表作であるヴァイオリンとオーケストラのための未完成の協奏曲の後に続く作品で世界的に知られている子守唄の前に書かれた作品です。

第1楽章アレグロ・モルト・モデラートはピアノと弦が力強く響き情熱的な旋律で始まり、8小節目のピアノのクロマティック・スケールにより弦の鋭さを協調しながら調和。変ホ長調の静けさが第2主題のハ長調と対比になっています。この3つの要素は簡潔さと自由を表す模範となります。

第2楽章スケルツォ。フォーレのスケルツォはリズミカルと軽快なメロディでとてもユニークで魅力的なスケルツォの代表格です。軽快さや遊び心のある感性と繊細さを完璧に組み合わせた「スケルツォ」の意味を私達に理解させてくれる素晴らしい音楽家であることが分かります。

第3楽章アダージョ。絶望と希望の両方を持ち、優雅で敏感なフォーレの魂に浸るようなムーブメントです。深い哀愁が漂うアダージョはゆったりとしたピアノと弦の調和が16小節以降に続く悲痛を表現し66小節目にも再現され、ピアノは再び元のハーモニーへと変化します。

第4楽章アレグロ・モルト。最終楽章はフォーレの最高傑作のひとつです。生命力と情熱があふれたこの楽章でフォーレは難しいとされるピアノと弦の融合に成功しました。

ドリーは1891年から1896年にかけてドリー・バルダック(後にドビュッシー夫人になる予定だった)のために書かれたピアノ連弾のための6曲からなる組曲です。

伴奏の力強いタッチが強調された甘く柔らかな第1曲子守唄。第2曲ミ・ア・ウは家の猫を見つけたときのようなリズミカルなワルツ。第3曲ドリーの庭はメロディが16分音符の伴奏で転調していきます。第4曲キティー・ヴァルスは空中で回るようなカプリス・ワルツを連想させます。第5曲優しさは純粋な音楽の本質が豊富です。変調を用いた素晴らしいフォーレの傑作です。

第6曲スペインの踊りはフレーズが時には叙情的で時は情熱的な典型的なイベリアの世界に導きます。

ルイ・マティーニ

 

Piano Quartet No.1　→　ピアノ四重奏曲第1番

Dolly　→　ドリー

Henriette Puig-Roget　→　アンリエット・ピュイグ＝ロジェ